最後のあいさつ

生意気ながらサッカークラブ経営は志と覚悟と責任が取れない人はやってはいけないと思います。

ここまで読んで頂きましてありがとうございます。感謝の気持ちは先程書ききったつもりで逆に最後の挨拶は何にしようかなと思っていたのですが、なんかインスピレーションが湧いたので後先考えず直感で書きたいなと思います。あいさつかどうか分かりませんが自分の気持ちをそのまま書かせて頂きました。

一つ目は、志の話をさせてください。

一番重要なのは、選手でもなく、監督でもなく運営で決まります。まず発起人の桃太郎が「鬼退治をする」と志を決めます。志がなければ何も生まれません。桃太郎がいなければ、さる、きじ、犬も鬼退治に行くことはなかったでしょう!

私も子供の頃の憧れだった夢、高校2年生途中でサッカーを辞めてずっと後悔し、サッカーでチャレンジしたい気持ちをずっと封印していたのですが抑えきれず人生一発チャレンジしよう!どうせなら自分でJクラブを作ってJリーガーになってやろうと「7年でJリーグ」「40歳でJリーガーになる」と痛いヤツですが志ました。

本当にやりたいことというのは、他人や世間の目、アンチの声なんて気にしないものです。好きは論理を殺す!バカになれるのです。サッカーは僕をバカにさせてくれました。子供の頃の純粋な気持ちを蘇らせてくれたのです。(同時に子供のようにいろんなことを迷惑かけますけどね)

桃太郎はきびだんごで巻き込んだのではありません。それなら余りにも割が合わないです。桃太郎の強い志、鬼退治をしなければどうなるのか?鬼退治をして世界を平和にするビジョンが、さる、犬、キジは動いたのでしょう。志と比例して志の高い仲間が集まります。スタートアップは、きびだんごの報酬で動くような人ではなく、志で動く仲間がないと事を成すことはできないのです。

FC淡路島も内部分裂をしましたが、価値観が違うのは人間ですので仕方がありません。ただ、それなら0からチャレンジをした方がよかったのではないかなと思います。

結局、志の高い人材は条件ではついてきません。

これまで私は5年連続昇格で、昇格しか経験したことがないのも強い志を持っていたのが一番の要因であり、ここがなければ面白く優秀な人材が集まることはなかったでしょう。

2つ目は覚悟の話です。

ビジョンを描く、志を持つことは誰でもできます。ここで重要なのは覚悟です。

ビジョンを描くよりも、描いた後の方が大変です。やりたいことがない人が多い世の中ですが、やりたいことを見つけるのがゴールではありません。見つかってからスタートであり、志を形にしていくのには相当なエネルギーと覚悟が必要なのです。

やりたいことがない人の特徴として、覚悟がないままやりたいことを見つけようとしているので、見つかった所で「できない」「やれない」 やれることがないので、やりたいことが見つからないわけです。

よく“7年でJリーグ 負けたら撤退”で、胡散臭い、このやり方が嫌だと言われることも多いのですが、僕は逆に、「Jリーグを目指す」「昇格する」とか、簡単に使う方が胡散臭いと思います。

綺麗事を並べる方が簡単ですし、ぽいことを言う方が楽です。それが時として言い訳になり、保険となるので、そもそも失敗した後のことを考えている時点でイケていません。さすがに「負けたら撤退はやめとこうかな?」と悩みましたが、本質は淡路島からJリーグを誕生させること。40歳でJリーガーになること!ただでさえぶっ飛んだ挑戦なのでリスクを背負わなくて実現できるわけがない。

それに自己資金でやる経営だったので、ズルズル負けて何年も資金を出し続けることはできないので、できないことを言う方が胡散臭いです。「負けたら撤退」という言葉をネガティブな気持ちではなく覚悟を決めるという意味で「7年でJリーグ 負けたら撤退」というビジョンにしました。

面白いもので、覚悟を決めるとやるしかないので、負けられない空気を作ることができます。3年間は無敗だったし、2年目は全国制覇もしたし、強い空気は勝ち続けるしか作れないので、この空気を作れたのは間違いなく7年でJだけでなく、負けたら撤退という覚悟があったからです。自分が誰よりもダントツナンバー1で覚悟を持って仕事をしたと言い切れます!

3つ目は責任の話です。

まずこの話をする前の前提として、僕個人は人間的にまだまだですし、できていないことだらけですので自分が目指している前提と思想という意味でお話させて頂きます。

責任者というのは、責任をとれる人だけが名乗っていいことです。責任をとる。というのは、全ての失敗は責任者の責任です。20歳ぐらいの時は代表取締役とか、●●責任者みたいなのにカッコいいと思う時もありましたが、それはポジティブな面しか見えていないから言えるわけです。カッコいいメリットと同時に、責任の重さも比例します。なので、嬉しいカッコいいなんて思っている時点でまだまだです。

責任者になった時点で他責にできません。すべて責任は自分なので、、、。結構、部下の理不尽なこともよくあるのですが、その部下を採用したのも責任者です。僕じゃない、上の人が採用した。でも責任者を引き受けたのは誰ですか、あなたですよね。あなたの責任です。という世界です。ですので、それも含めて責任者になるかならないかを判断しないといけないのです。

結局全ての責任はトップです。僕はそう教えられてきました。

よく人間性の話がスポーツ業界で話題になるのですが、分からないですけど世間ではだいたい感じのいい人、爽やかな人、優しい人が人間性があるというイメージでしょうか?

個人的な意見として、普段人当たりがいいとか、気遣いができるぐらいで人間性がいいか悪いかというのは分からないものです。なぜなら、何もない時にいい人でいられるのは普通というか当たり前です。優しくて当たり前です。

しかし、何か問題があった時、都合の悪いことが起こった時の振る舞いで人間性というのは見えてきます。この1年は、非常に自分自身がまさに人間性を問われる1年でした。

今回の騒動でたくさんのクレーム、不満の嵐でしたが、僕だけでなくついてきてくれた運営の仲間は誰も逃げず最後まで紳士に対応してくれました。逃げようと思えばいくらでも逃げられるのに、なんの得もない、お金を得られるわけでもないのに、責任をもった行動を見られたのが嬉しかったです。

失ったものもありますが、それと同時に得たものがあります。絆や信頼できる仲間。自分にとって一番大切な価値観ですので、この事件も結果ポジティブな方向に進みました。この件のおかげで自分の価値観がより明確になったのか、すばらしい出会いが毎日のようにあります。

特に責任の倫理観が一致する人と出会えるようになりました。もしも、あのまま逃げていたら逃げたもの同士が集まっていたのだなと思います。

最後になりますが、志、覚悟、責任、この3つを意識していたわけではありませんが、自分なりに5年間100%でやり切ったつもりです。悔いはありません!たしかに7年でJリーグ昇格は達成できなかったので自分にとっては大きな失敗です。

しかし、大きな失敗をしたということはポジティブに捉えると大きなチャレンジをしたからです。こういう失敗ができるのも贅沢かなと思います。モノでは得られることができない、たくさんの価値を頂くことができました。おかげ様で形は変わりましたが、今でもFC淡路島を通して出会った仲間といろんな楽しいことをチャレンジしています。

これらも全て、これまでFC淡路島に関わって下さった皆さまのおかげです。皆さまのおかげでほんの少し人間的に大きくなれた気がします。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

今後はどうなるか分かりませんし、何も約束できませんが、また何かサッカー界でチャレンジすることがありましたらご報告させて頂きたいと思います。それでは長くなりましたが、以上で終わらせて頂きたいと思います。

追伸 退屈な奴らを興奮させる理念を通し学んだこと

人生が退屈な理由は、100%本気で挑戦していないこと。それが答えだということに気づきました。

2021年FC淡路島騒動のリリース
2022.03.05 公開

FC淡路島の活動に関して2022年3月時点のリリース。状況をご存知で無い方はまずコチラからお読みください。

その後のご報告
2022.12.3 公開

3月以降どうなったのか?FC EASY 02明石との合併やFC.AWJとの関係性などその後の状況が知りたい方へ。

庄田竜からのメッセージ
2022.12.3 公開

ファン、関係者の皆さまへ。FC淡路島代表庄田としてのおそらく最後のご挨拶。